森林管理計画


日南町森林組合では、FSC森林認証の取得にあたり、次のような森林管理計画をたてています。

森林の概要

日南町は、中国山地のほぼ中央、鳥取県の南西部に位置し島根県、岡山県、広島県と接していて、日本海に注ぐ一級河川、日野川の源流域となっています。

町の面積は341km²で、山林は303km²と全体の89%を占めています。森林の蓄積は628万m³ 、年間生長量は15.5万m³ と推定されています。

森林の管理方針

【 基 本 理 念 】
森林整備を通じて自然と人間との共生できる循環型社会を目指し、環境に配した適切な森林管理と森林資源の有効利用を行い地域社会に貢献する。

【 基 本 方 針 】
◇環境に配慮した森林管理方法を示し、従業員ならびに関係者の意識向上に努める

◇地域社会の一員として、広く地域社会との良い関係を保つよう努力する

◇常に長期的視野にたち経営計画をたて実行し、定期的な点検を行い、改善をはかりつつ効率の良い林業経営を実現する

活動項目

【 環 境 】
◇日野川の清流を守り下流域住民の水瓶としての適切な森林管理を行う
◇野生生物とともに共生可能な森林環境を整備する
◇森林内を流れる清流をまもり、水質汚染を防いで水生生物等を保護する

【 社 会 】
◇森林のもつ多様な機能について広く理解を得るため、地域住民、下流域住民との交流を図る
◇従業員の安定した就業を確保し、かつ地域社会の雇用の場として貢献する
◇子供たちに環境教育の学習場所として、積極的に情報及び場所等の提供を行う
◇管理する森林において他機関が実施する事業について、環境に対する影響の軽減方法を指導する

【 経 済 】
◇FSC森林認証を利用して木材の付加価値を高め、木材の利用拡大と安定供給を図る
◇経済的な森林の管理のため、高密路網の整備と管理計画に基づいた施業を行う
◇森林整備、木材生産コスト削減のために合理化を実施し、かつ環境への影響を最小限にとどめる

森林の現況と取り扱い方針

FSC森林認証林は町内全域に広がっており、人工林12,436.75ha、天然林6,898.44ha、その他193.98haで合計 19,529.17haです。 人工林の構成はスギ8,275.73ha、ヒノキ3,281.42ha、マツ517.00haなどとなっています。

人工林は短伐期での皆伐再造林に代えて、利用間伐を交えた長伐期施業と生物多様性に配慮した管理を目指します。
天然林は、ほとんどが薪炭利用されてきた林であるため、林の成熟化を促すとともに、一部はふれあい事業の場として整備をはかります。

素材生産と環境配慮・労働管理・機械化

現在の伐採量は生長量の4割ほどと推定されています。
間伐の必要な齢級の林が多いため、計画的に利用間伐をすすめるとともに、町有林の一部について計画的な 主伐と再造林を計画しています。

急傾斜地や渓流沿いは生産林とせず、保護地としています。環境に配慮したチェーンソーオイルを使用し、 油脂類で環境負荷が生じないよう作業手順を決めています。

労働安全管理については、年1回の安全大会、毎月の安全会議を基本に、巡回や指導により意識の向上に努め ています。作業道を含む路網密度は20.6m/ha(取得時)で、今後も積極的に整備を進めていく方針です。
作業道の開設にあたってはリストにより環境面への配慮を徹底しています。 日南町森林組合 安全・環境マニュアル